always over the moon

名月(めいげつ) :俳句

名月のうたげ麗妃は産室へ   中原久遠
(めいげつのうたげ れいひはさんしつへ)


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季語: 名月(めいげつ)    【秋】 ・天文


※ 松山俳句ポスト365 三十回め投句 兼題 『名月』(第80回)   :天

いつき組 組長 夏井いつき選評:
「名月」と「満月」の違いとは何でしょう。今週の「俳句道場」に、みちるさんが書いて下さっていたように「『名月』という言葉の中に、すでにとてもすばらしいもの、という価値判断が入ってしまっている」という点が、この季語に取り組む際の大きなハードルになります。「満月」は、月が最も大きく見える現象そのものですが、「名月」は愛でる心がすでにパッキングされています。なんと難しい季語だろうと、溜息をついていたワタクシの心に、この句が飛び込んできました。
 「名月のうたげ」は、一見ありそうな措辞なのですが、後半の叙述によって、ただの「うたげ」ではないことがわかります。「麗妃」という人物の名前は、読者を一気に中国王朝の世界へ誘います。この人物を、清王朝末期、皇帝の寵愛を受け西太后に疎まれたあの「麗妃」だと読んでもいいですし、中国という国の歴史の中の一人の妃だと考えても良いでしょう。
 「名月のうたげ」は「麗妃」が無事に世継ぎを産みますようにという願いの宴であり、出産の知らせがくれば、それはそのまま誕生を言祝ぐ宴となるのでしょう。
 虚の世界に浮かんだ「名月」は、読み手であるワタクシたちをうっとりと魅了します。「産室」という場は、月の満ち欠けと出産の関わりを想起させ、「麗妃」という名前の文字通りの麗しさは「名月」という言葉と美しく響き合います。やがて届く出産の報に、座の湧き上がる声が聞こえてくるような心もする佳句であります。



中秋の名月を愛でる慣習は中国に由来すると知り、なんとか中国を舞台に一句と思いましたが、
最初はお菓子の月餅しか思い浮かびませんでした。タイやマレーシアで沢山頂いた月餅。

やがて浮かんできたのは、北京を訪れたさいに足を伸ばした万里の長城、故宮博物館。
今までに読んだ中国が舞台の小説の数々。「ラストエンペラー」など、中国の歴史映画。
そんなごたまぜの中から、すーっと立ち上ってきた一句でした。
まさかの天、いつき組長の美しい選評も頂き、嬉しさいっぱい、胸いっぱいです。
あまり飲めない私ですが、今夜は一人で祝杯をあげました。
(夫は火曜日の午後からずーっと飲み続けで、ただいま倒れています。大丈夫なんか?)




もう一句。こちらは「人」選を頂きました。

ガンジスを照らす名月祈りの手  中原久遠
(がんじすを てらすめいげつ いのりのて)

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いつき組長の「プレバト!」を観て、
照らす+名月=没 と覚悟をしていました。
「照らさない月があったら連れて来い!」という叱咤の声が聞こえました。

私の初案は、「ガンジスに滲む名月」だったのです。
しかし実際、ガンジス河の月を見てきた私には、滲むという言葉に違和感がありました。
次に「ガンジスにたぎる名月」としましたが、これも違和感あり。
この三文字で不眠になるほど悩みました。
どれを当て嵌めても、違う、違う、違う。
最後に「ガンジスを照らす名月」として、すっきりしました。
私が見たガンジス河の月と、人々の祈りの手には、照らすという平凡な動詞がいちばん似合っていました。
没を覚悟していたのに、人に採って頂き、すっごく嬉しかった。
実は、こちらのほうが本命句でした。
 
今、思うと、この句は「満月」のほうが合っているかも。
けれど、もしもどちらか一句しか提出できなかったとしたら、こちらを提出していたと思います。
自選は本当に難しい。私、自分の句を読む力が不足しています。
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by mariko789 | 2014-09-13 02:13 | Nikon D80 | Trackback | Comments(22)
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Commented at 2014-09-13 04:02
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2014-09-13 04:36
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tomi at 2014-09-13 04:59 x
marikoさん おめでとうございます。
麗妃 良いですね、貴女は空想の天才です、人間長く生きることは 空想 と言います夢を忘れてしまいます。

選評 素晴らしいです 何回も言わせていただきます、「おめでとうございます」 月餅 は忘れほうが良い、今 中国人街のべーカリー は他の菓子は何処ぞやです、月餅一色。

こちらの日系人のおばあちゃん 中秋名月 祝いますよ。
Commented by 麗門 at 2014-09-13 08:34 x
あらためて「天」おめでとうございます。
これから某所へ出かけますので、
わたしの感想はいずれお伝えします。

「名月や落ちて悔しき吾の名句」の心境であります。(>_<)
Commented by たんと at 2014-09-13 09:30 x
名月の天句に接し、
あらためて "always over the moon" を感じまする(笑)。
Commented by 桜姫 at 2014-09-13 10:18 x
 < 名月のうたげ麗妃は産室へ

わーっ!
「川開き」 に続き♪又又の快挙♪ブラボー♪
おめでとう御座います♪
この嬉しさを分かち合いたい♪とし坊早く出て来いや!(笑
いつき先生の「選評」も良いですね♪(感謝

 < ガンジスを照らす名月祈りの手

「祈りの手」が良いですね♪
人々の、色々な思いが籠って居て!崇高な感じが♪
写生的にも「美しい」です♪

「プレバト」そちらでも見られるんですね♪(驚・嬉

今までのお疲れも、これで吹き飛びましたね♪(笑
でも油断しないで!(笑)たっぷりご休養を忘れずに♪
Commented by hotate13 at 2014-09-13 11:20
< 名月のうたげ麗妃は産室へ

marikoさん 天!おめでとうございます。
選評: 最高の誉め言葉ですね~
王朝の人々のざわめきがありありと浮かんで ドキドキしてきます。

< ガンジスを照らす名月祈りの手 
静かな名月を浴び、死を待つ人々も居るのでしょうね。
手を合わせながら~    
Commented by mariko789 at 2014-09-13 22:49
★ 鍵コメント(X2)さま

了解いたしました。ゆっくり・・・ね!


★ tomiさま

ありがとうございます。
長寿の秘訣は、空想&夢なのですね!
心に留めておきます♪
中華街の月餅は大きくて一個でお腹がいっぱいになりますね(^_−)−☆


★ 麗門さま

ありがとうございます。これからお仕事ですか? おきばりやす♪
ご感想を楽しみにしております。

>「名月や落ちて悔しき吾の名句」
私も何度も同じ思いでしたよ~~~(/_;)


★ たんとさま

"always over the moon" は希望的観測なのですが、
たまには良いこともありますね♪
Commented by mariko789 at 2014-09-13 22:50
★ 桜姫さま

ありがとうございまーーーす!
とし坊さんは・・・お元気ならば良いのですが。。
いつき先生の「選評」、感謝感激でした!♪
ガンジスの句、「崇高な感じ」と仰って頂き、感激です。
そういうふうに読んで頂くと、句が浮かばれます♪

「プレバト!」は、ネットで一日遅れで拝見しています。
便利な時代になりました!ヾ(^▽^)ノ


★ hotate13 さま

ありがとうございます!!
まさかの天で仰天でした♪
ガンジスの句にもお目を通していただき、嬉しいです。
hotateさんの、あの石段を上るごとく一歩一歩、確実に、、
Commented by yuta at 2014-09-14 00:33 x
こんばんは
すてきな句ですね
あたし月餅すきです
食べたくなりました
明日買ってこよう・・
Commented by 麗門 at 2014-09-14 08:34 x
名月のうたげ麗妃は産室へ

これはやはり組長の評にもあるように、中国王朝の世界に誘われます。
「和」の俳句で「漢」を詠んだのが新鮮です。

ガンジスを照らす名月祈りの手

インドへは行ったことがありませんが、よく映像などで沐浴のシーンを見ます。
その光景が目に浮かびます。
敬虔なそして複雑な心境になります。
Commented at 2014-09-14 11:00 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2014-09-14 13:35 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2014-09-14 17:28
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mariko789 at 2014-09-14 19:01
★ yutaさま

私も月餅好きです♪
中に胡桃が入っているのが特にw
美味しい月餅を召し上がってくださいね!


★ 麗門さま

再訪して頂き、ご感想も頂き、感謝です!♪
私は、今朝、改めて「人」の句を再読させて頂いたのですが、
はっとさせられる佳句が数多ありました。
ハイポ、レベルが高いです。
私の場合は、実力の伴わない幸運だけ。神様に感謝です。


★ 鍵(09-14 11:00)さま

ありがとうございます。
なんとか、よろよろながら句作を続けております!


★ 鍵(09-14 13:35)さま

ありがとうございます! 選評に拾われた一句です♪
今まで行った旅行や、読んだ本、観た映画、
人生で経験したものは、みな俳句の肥やしになっているのかもしれないですねー
鍵さんの文学的なコメント、非公開が残念です!!(^人^)感謝♪


★ 鍵(09-14 17:28)さま

お大事にね。。 そちらへ♪
Commented at 2014-09-14 19:04
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by anohiwa at 2014-09-15 14:33
プレバトを観るたびに その難しさにしり込みをしてしまいます。
しかし、本当に難しい事をmarikoさんはなさってますねぇ――(驚)
あの番組を観るたびに、感心以外にないです。

marikoさんは、才能があるのでしょうねぇ~
それに、写真も、すごいし。
写真は、まだ少しわかりますが、”句”は、チンプンカンプン(笑)

これからも、どうぞ、頑張ってくださいネ!
Commented by mariko789 at 2014-09-15 14:58
★ 鍵(09-14 19:04)ちゃん

そちらへ!


★ anohiwa さま

「プレバト!」、人気番組なのですってね!
私はネットで一日遅れで観ています。
俳句は難しいです(*_*;
応援をありがとうございます!♪
Commented by 詩楽麿 at 2014-09-16 07:29 x
中原 久遠 様
名月での作品、批評された方の見立て通り
誠に秀逸なる作品ですね!霊気漂う中国のドラマを彷彿させる作品。私の脳裏には、
秦の始皇帝が浮かびました!多いに勉強になりました!謝謝!

中秋の 名月泳ぐ 黒目川 詩楽麿

手に取りて 持ち帰りたし 満月も
握りし夢に 託しもの想ふ 詩楽麿
Commented by mariko789 at 2014-09-17 14:04
★ 詩楽麿さま

お褒め頂き恐縮です!
選者の読みで生かされた一句、幸運でした。
名月の一句、満月の一首、ありがたく頂戴いたしました。
過日、頂いた句作品は、下のほうの「鈴虫」の句に添えさせて頂きました。
今回の作品は、「乱菊」の句に添えさせて頂きますね♪
Commented by 与太郎 at 2014-09-24 16:01 x
まりこサン

「俳人中原久遠様」と申し上げる遠い存在になって仕舞われ
私から遠~いお方という感じです。

二度も頭を打った所為か、全然句作等できなくなりました。
Commented by mariko789 at 2014-09-25 01:34
★ 与太郎さま

あはは 遠い存在だなんて、笑わさないでー!!
近くのおばちゃんですって!(/_;)

また、元に戻りますよ、
与太郎さんの短歌や俳句、楽しみにお待ちしております!♪