鵙の贄(もずのにえ):俳句
2012年 11月 16日
磔の聖者うつくし鵙の贄 久遠 (旧:流星)
(はりつけの せいじゃうつくし もずのにえ)
季語: 鵙の贄(もずのにえ) 【秋】 動物
・鵙は猛禽類で、蜥蜴や鼠、蛙などを捕らえて枝に刺しておく習性がある。それらのものを「鵙の贄」という。(by 角川季寄せ)
ツイッターで 『鵙の贄』 という課題が出たとき、私の脳裏に浮かんだのは、十字架のキリスト像でした。
『最後の晩餐の食卓に生贄の羊がなかったのは、キリストが生贄の羊だったからだ・・・』
という、読んだばかりの曽野綾子さんの文が思い起こされたからでした。
キリストとは比較にならないけれど、たとえ蛙一匹でもその身を滅ぼして他者を生かすものは尊く美しい。
そんな思いをこめて詠んだ一句です。
◎ 画像はバンコクの『暁の寺』にて。仏塔に貼りつけられた像。
◎ この句は、10月15日のツイッター句に参加したものです。
これにて、今年の秋の句の投稿はおしまいにします。