always over the moon

タ・プローム(TA PROHM) ①

クメール文明の至宝・アンコール遺跡群 第四弾 タ・プローム ①

三日間で五ヶ所回ったアンコール遺跡群のなかで、私がいちばん惹かれたのは、ここでした。
今回は、最近読んだ、多田富雄著の文も引用させて下さいね
なぜ私が遺跡に惹かれるのか、言葉や文にはできなかったモヤモヤした気持を、多田氏が鮮やかに書かれていたからです。




1)巨大な大樹(スポアン:仏名フロマージュ) ガジュマルに寄りかかられた回廊。
f0053297_10474971.jpg




~多田富雄著 『ビルマの鳥の木』 ・「老い」断章  より抜粋~

 この世でもっともぜいたくな美の実現の仕方は、廃墟を作ることであろう。

 ただ、廃墟というのは始めから作ろうとして作れるものではない。

 廃墟であるためには、まず洗練され、贅をつくした最高の構築物を完成しなければならない。

 それをみがきあげるように使い、高度の文化を築き上げ、人工的に破壊するというのではなくて、

文明の生理的衰退に合わせた長い長い時間をかけて、自然が不可逆的な物理的・化学反応を進行させ、

無駄なものをすっかり崩壊しつくして、隠し続けてきた何ものかが現れ、それで初めて廃墟が完成するのである。

 その廃墟は、時とともに成長し、変容し、そして風に吹かれ、ついには何もなくなる。(中略)



           

           朝鈴や駅への道が遠くなり    よし

           金柑のいよよ鮮やか雨の後    流星

           あぶな絵をくべるデュポンの火や夜長   流星

           カジュマルや暦をも握り秋迎え     詩楽麿

           幾久しカジュマルの根も暦支え 
                  掴みし季節なおも蓄えむ   詩楽麿

           田は開き何処に行こうか山雀      よし

           洛北は風も哀しき秋牡丹         よし





2)苔むし崩壊しかかった回廊の外側。
f0053297_1132471.jpg




 

  ~多田富雄著 『ビルマの鳥の木』 ・「老い」断章    より抜粋~

 遺跡がかくも美しく崇高であるのは、その大もとである古代文明が、たとえようもなく見事に花開いて、

さらにそれが回復しようもなく失われ、ただそれを偲ぶ最小限の遺構のみが、

絶対に修復不可能な形で残っているからである。

 それはまさしく絶対であり、限界であり、孤高であり、すべてがそこに凝縮したものである。






3)回廊の中。
f0053297_1111623.jpg








4)魔手のごときガジュマルの根。今にも回廊を押しつぶしてしまいそう。
f0053297_1132520.jpg




☆続く
☆2012年 カンボジア アンコール遺跡群 まとめ☆
[PR]
by mariko789 | 2012-10-04 11:36 | Nikon coolpix P510 | Trackback | Comments(44)
トラックバックURL : http://mariko789.exblog.jp/tb/18032301
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by isao1977k at 2012-10-04 11:48
カジュマルの樹、すごいですね、実物を見てみたいです!
Commented by Meet You at 2012-10-04 12:36 x
タ・プロームって木を取り除く必要があるとかないとかの遺跡の修復方針でもめてますよね。
でも木を取り除いたら、だれも見に来なくなっちゃうかもしれない。
遺跡ってそんなもんだと思う。

私が訪れた時にはなかったけど木の前に柵が出来たんですね!
まぁ、むちゃくちゃな人が多いから仕方ないのかな?
Commented by すここ at 2012-10-04 12:41 x
はじめまして。

何気なくエキサイトの「似ているブログ」ボタンを押していてこちら様を拝見することができました。

アンコールワット行きたくて、何度も計画を立てているんですけれどなにかしらの都合でいつも行けなくなってしまうんです。。。

でもこうしてアンコールワットを素晴らしい写真でみることができて本当に本当に嬉しいです。
続きも楽しみにしております!
Commented by yoshiyoshi at 2012-10-04 12:43 x
鵙居りて亡者を語れ陽も翳る    よし

辺鄙な田舎に住まいすれば職安もとんでもなく遠く(府中)まで行かなければなりません、ああ疲れた。
Commented by すここ at 2012-10-04 12:49 x
何度もごめんなさい。
アンコールワットとタ・プロームは違いますね。
訂正させて下さい。
Commented by to_shi_bo at 2012-10-04 14:45 x
こんにちは!
今回の写真群と・・・
「無駄なものをすっかり崩壊しつくして
隠し続けてきた何ものかが現れ、それで
初めて廃墟が完成するのである」
・・・が見事に融合しています。
哲学の世界に似て~~~♪
Commented by yotarouu at 2012-10-04 15:28
>廃墟であるためには、まず洗練され、贅をつくした最高の構築物を完  成しなければならない。

将に其の通りと思いますが、矢張り淋しいです。
最高の構築物は其の儘で、残って貰いたいとも思います。

このガジュマルめっ!
Commented by イヴォンヌ at 2012-10-04 17:25 x
すごいねぇ~このガジュマルの木!

多田氏の解説やっぱりすごいね~

何だか多くの魂を込めている廃墟ってかなりの生命力を持ってそうに感じます。
Commented by 桜姫 at 2012-10-04 22:52 x
 < 立待の光を浴びぬ 身も影も    流星
 < 自販機の釣銭多き良夜かな 
 < 古障子 洗はれ角が取れましてん    
 < 秋の七草 摘み尽くされて野は虚ろ
 < 時価といふ文字おそろしきイクラかな     
 < 秋深く空空漠獏(くうくうばくばく)の火星     
 
「秋の七草」と「秋深く」のお句を頂戴いたします♪
流星さまのお句は何時も発想がユニークで、ハッとさせられます♪
若い証拠ですね♪
「つき」お写真にも小説と同じく不気味さを表しましたね♪
でも私は、そのユーモアに大笑いさせて頂きました♪
これからも楽しみにしていますからね♪
 
Commented by yoshiyoshi at 2012-10-05 07:23 x
朝鈴や駅への道が遠くなり    よし
Commented by mariko789 at 2012-10-05 11:18
★isao1977k さま

くーちゃんに、実物を見せてあげたいです♪
Commented by mariko789 at 2012-10-05 11:18
★Meet You さま

ここからガジュマルが消えたら、確かに魅力がなくなるかもね!
雨季だからフォトジェニックではなかったけれど、そのかわり人は多くなかったのよ、
現地で買ったガイドブックの写真と見比べると、年々凄い勢いで崩壊しているみたい。
Commented by mariko789 at 2012-10-05 11:18
★すここさま

はじめまして、ようこそ♪
アンコールワット(遺跡)の本を沢山持っていらっしゃるんですね!(レスをありがとう~♪
もしかして前世からのご縁があるのかも。
いつかその目でご覧になれる日がくると思います♪
これをご縁に、これからも宜しくお願い致します。
Commented by mariko789 at 2012-10-05 11:19
★yoshiyoshiさま

>鵙居りて亡者を語れ陽も翳る    よし

むむむ・・・。下の投稿にあまりにぴったりなので、下に添えさせて頂きますね!
(私の俳句と、取り替えたいわ 笑)
府中は、私、子どもの頃いっとき住んでいたんです、懐かしいなぁ。。
職安へ、お疲れ様でした!
Commented by mariko789 at 2012-10-05 11:21
★to_shi_bo さま

ごめんね、写真も多く、文字も多くて、、読んで頂き嬉しいですが♪

「隠し続けてきた何ものか」 その、何もの の答は本には書いてなかったのですが、
やっと分かったのです。
次回に私の意見を書きますね~(もったいぶるなぁ、私 笑)
Commented by mariko789 at 2012-10-05 11:24
★すここさま

私も行く前は、アンコールワットというのはアンコール遺跡のことかと思っていました!
ぜんぜん問題ないですよ~ ご丁寧にありがとうございます!!
(プロではないですよ 頼まれて写真を撮ったことは何度かありますが)
他の投稿も見て下さったんですね!
私もまた、すここさんの投稿を見せて頂きます♪
Commented by mariko789 at 2012-10-05 11:25
★yotarouu さま

>最高の構築物は其の儘で、残って貰いたいとも思います。

それはとっても日本人的なご意見と思います
修復された東京駅にしても、ね♪
日本人は完璧主義というか、、鳴かぬなら殺してしまえホトトギス、ではないですが、
修復して残すか、壊すか、二者択一の民族みたい。
Commented by mariko789 at 2012-10-05 11:25
★イヴォンヌさま

人気ブログかかえて巡回先が多いのに、丁寧に読んで下さり、感謝感激!!
遺跡も、パワースポットと思います♪
Commented by mariko789 at 2012-10-05 11:26
★桜姫さま

いつもながら拙句を鑑賞して頂き、嬉しいです!
オリジナリティだけで勝負していて、ろくな句ではありませんが(涙
小説は、楽しくて書いています♪ 笑って頂き、感謝感謝ヾ(^▽^)ノ
Commented by mariko789 at 2012-10-05 11:26
★yoshiyoshiさま

>朝鈴や駅への道が遠くなり    よし

え?朝鈴でもいいんですか? 涼ではなくても?
博識のよしさん、いつもお勉強になります!!
早く足が楽になって、駅までの道が近く感じるようになりますように。。
Commented by ozouni3 at 2012-10-05 13:00
アンコール遺跡を見に行って良かったですね。
こころに響くものに出会えたんですね。

「変容し風に吹かれなにもなくなる・・」
ここですね、ポイントは・・。

物体もいつか無くなるんですが、精神的なものも、いつか無くなるんですね。でしょ、自分が居なくなるんですから。

この後は、BKKへ一旦戻るですか??
Commented by 詩楽麿 at 2012-10-05 14:30 x
MAriko様
カジュマルの樹とは、凄まじい樹木。屋根に身を委ねているとも見える一方、滅び行く館を支えているかにも見える。これに照準を合わせた写真
に樹木の悲鳴が滲み出ているかの様な写真ですね。
貴女のカメラセンスには、脱帽です。さらにその巨大さを無言の内に知らしめる工夫は、流石です。
 
カジュマルや 暦をも握り 秋迎え                 詩楽麿

幾久し カジュマルの根も 暦支え 掴みし季節 なおも蓄えむ 
                                      詩楽麿


Commented by イヴォンヌ at 2012-10-05 20:53 x
ホントにそう思います。
遺跡も完全にパワースポットだよね~♪

一緒にめぐりたいね!
Commented by yuta at 2012-10-06 01:25 x
こんばんは
今は廃墟になっているけど、
当時の最高の技術の結晶でしょう

ガジュマルが巨大な生き物で廃墟に手をかけて
寄りかかっているように見えておもしろいですね^^
Commented by 麗門 at 2012-10-06 08:28 x
ガジュマルの巨木。
初めて見たと思いますが、すごいものです。
たぶん高温多湿なので成長も早いのでしょうね。

下の仏像の写真も素敵です。
モノトーンがいいです。

十数年ぶりに時計を気にせず外出できるようになりました。
博物館でゆっくり仏像を撮りましたよ。

「デュポンの火」 カッコいい!!


Commented by yoshiyoshi at 2012-10-06 08:42 x
田は開き何処に行こうか山雀    よし
Commented by mariko789 at 2012-10-06 12:18
★ozouni3 さま

長年、いつかは行こうと思っていて、やっと果たせて良かったです!

>変容し風に吹かれなにもなくなる

ほんまやねぇ、諸行無常だわ・・・
カンボジアには10日間いたので、まだまだカンボジアです
BKKは買物だけで、写真も殆ど撮ってないです(お許しを!!
Commented by mariko789 at 2012-10-06 12:19
★詩楽麿さま

このガジュマルたちは、まるで怪獣のように大きかった、
そして根っこが手のようで不気味でしたよ~

>カジュマルや 暦をも握り 秋迎え         詩楽麿

>幾久し カジュマルの根も 暦支え 
          掴みし季節 なおも蓄えむ   詩楽麿

巨大なガジュマルの木々に寄せる一句一首、有難く頂戴いたしました!♪
Commented by mariko789 at 2012-10-06 12:19
★イヴォンヌさま

一緒に遺跡のパワースポット巡り、したいよねぇ~
ギリシャなんかも良さそう♪
Commented by mariko789 at 2012-10-06 12:19
★yutaさま

>ガジュマルが巨大な生き物で

もう全くその通りです!
木というより、魂や意思をもったものに見えました。
それこそ、この遺跡の魅力のポイントと思います
Commented by mariko789 at 2012-10-06 12:20
★麗門さま

この遺跡も発掘されるまで長年ジャングルに覆われていたのだと思います

下の写真も、デュポンの句にも目を留めて頂き、嬉しいです♪

十数年・・・大変でしたねぇ。。仏像のお写真、楽しみに拝見します。
Commented by mariko789 at 2012-10-06 12:20
★yoshiyoshiさま

>田は開き何処に行こうか山雀    よし

山雀さん、どこか良い住処が見つかりますように。。
首をかしげた雀さんが目に浮かぶ一句を有難うございます!
Commented by 鎌ちゃん at 2012-10-06 16:36 x
こんにちは。
まさに、魔手のごときガジュマルの根ですね。
こうして、永い年月の間に、壊れ、朽ち果てていった遺跡も、世界には多くあることでしょう。
大自然の中での、人為の小ささを思い知らされる景観です。

我が家も、庭木が大きくなって、根を張り、垣根などに負担がかかってきています。
家を買ったときは、こんなこと、想像もしなかったですからね。
この先は、住人と家の、長生き比べになりそう。
Commented by たんと at 2012-10-06 18:03 x
スゴイな。美しいな。
「2)苔むし崩壊し…」のモデルさん?も美しいな(笑)。
Commented by イヴォンヌ at 2012-10-06 19:33 x
ガジュマルの木ってすっごく大きくってすっごく神秘的だよね~♪
Commented by yoshiyoshi at 2012-10-07 09:49 x
洛北は風も哀しき秋牡丹     よし

Commented by d12taka at 2012-10-07 10:30
ごぶさたしております。
ガジュマルが遺跡に魔手を伸ばしているような
遺跡が根を支えて樹を育んでいるような
なんとも不思議な光景ですね。。。

抜粋されておられる論旨には、全く首肯しきりです。
人の手になるものは、悠久の時間を耐ええない...
Commented by mariko789 at 2012-10-07 11:42
★鎌ちゃん

そうですね、世界の秘境にはまだまだ発掘されていない遺跡があると思います

>人為の小ささを思い知らされる景観

同感です!
鎌ちゃんのおうちの住人と家との長生き比べ、どちらも負けるな!♪
Commented by mariko789 at 2012-10-07 11:42
★たんとさま

やっぱり若くて綺麗な女の子に目がいっちゃいますよね~
女の私でも同じです!♪ (で、つい撮りたくなったりして!
Commented by mariko789 at 2012-10-07 11:43
★イヴォンヌさま

うんうん、神秘的です! なんか独特、、なんでかな?
Commented by mariko789 at 2012-10-07 11:43
★yoshiyoshiさま

>洛北は風も哀しき秋牡丹     よし

いい絵ですねぇ~~
芥川の『羅生門』を彷彿です!♪
今朝も一句を有難うございました♪
Commented by mariko789 at 2012-10-07 11:43
★d12takaさま

こちらこそご無沙汰してしまって、、、すみません!

>人の手になるものは、悠久の時間を耐ええない...

そうなんですよねぇ、やがては自然の中に溶けていってしまう・・・。
Commented by keymyall at 2012-10-08 11:41
この樹は、どれだけの時間をあそこで過ごしたのだろうか、、、、
その歴史を考えるだけで、気が遠くなりそうです。
でも、知りたいなぁ~~~
何を見てきたのかを、、、、、、、
Commented by mariko789 at 2012-10-08 12:15
★keymyall さま

ガジュマルは成長が早いらしいですが、
それでも13世紀からですから、8世紀(800年)くらい?
そしてますます元気!
宇宙人の来襲とかも見ているかも(汗
こちらも見て下さり、ありがとう~♪