タ・プローム(TA PROHM) ①
2012年 10月 04日
三日間で五ヶ所回ったアンコール遺跡群のなかで、私がいちばん惹かれたのは、ここでした。
今回は、最近読んだ、多田富雄著の文も引用させて下さいね
なぜ私が遺跡に惹かれるのか、言葉や文にはできなかったモヤモヤした気持を、多田氏が鮮やかに書かれていたからです。
1)巨大な大樹(スポアン:仏名フロマージュ) ガジュマルに寄りかかられた回廊。
~多田富雄著 『ビルマの鳥の木』 ・「老い」断章 より抜粋~
この世でもっともぜいたくな美の実現の仕方は、廃墟を作ることであろう。
ただ、廃墟というのは始めから作ろうとして作れるものではない。
廃墟であるためには、まず洗練され、贅をつくした最高の構築物を完成しなければならない。
それをみがきあげるように使い、高度の文化を築き上げ、人工的に破壊するというのではなくて、
文明の生理的衰退に合わせた長い長い時間をかけて、自然が不可逆的な物理的・化学反応を進行させ、
無駄なものをすっかり崩壊しつくして、隠し続けてきた何ものかが現れ、それで初めて廃墟が完成するのである。
その廃墟は、時とともに成長し、変容し、そして風に吹かれ、ついには何もなくなる。(中略)
朝鈴や駅への道が遠くなり よし
金柑のいよよ鮮やか雨の後 流星
あぶな絵をくべるデュポンの火や夜長 流星
カジュマルや暦をも握り秋迎え 詩楽麿
幾久しカジュマルの根も暦支え
掴みし季節なおも蓄えむ 詩楽麿
田は開き何処に行こうか山雀 よし
洛北は風も哀しき秋牡丹 よし
2)苔むし崩壊しかかった回廊の外側。
~多田富雄著 『ビルマの鳥の木』 ・「老い」断章 より抜粋~
遺跡がかくも美しく崇高であるのは、その大もとである古代文明が、たとえようもなく見事に花開いて、
さらにそれが回復しようもなく失われ、ただそれを偲ぶ最小限の遺構のみが、
絶対に修復不可能な形で残っているからである。
それはまさしく絶対であり、限界であり、孤高であり、すべてがそこに凝縮したものである。
3)回廊の中。
4)魔手のごときガジュマルの根。今にも回廊を押しつぶしてしまいそう。
☆続く
☆2012年 カンボジア アンコール遺跡群 まとめ☆
でも木を取り除いたら、だれも見に来なくなっちゃうかもしれない。
遺跡ってそんなもんだと思う。
私が訪れた時にはなかったけど木の前に柵が出来たんですね!
まぁ、むちゃくちゃな人が多いから仕方ないのかな?
何気なくエキサイトの「似ているブログ」ボタンを押していてこちら様を拝見することができました。
アンコールワット行きたくて、何度も計画を立てているんですけれどなにかしらの都合でいつも行けなくなってしまうんです。。。
でもこうしてアンコールワットを素晴らしい写真でみることができて本当に本当に嬉しいです。
続きも楽しみにしております!
今回の写真群と・・・
「無駄なものをすっかり崩壊しつくして
隠し続けてきた何ものかが現れ、それで
初めて廃墟が完成するのである」
・・・が見事に融合しています。
哲学の世界に似て~~~♪
将に其の通りと思いますが、矢張り淋しいです。
最高の構築物は其の儘で、残って貰いたいとも思います。
このガジュマルめっ!
< 自販機の釣銭多き良夜かな
< 古障子 洗はれ角が取れましてん
< 秋の七草 摘み尽くされて野は虚ろ
< 時価といふ文字おそろしきイクラかな
< 秋深く空空漠獏(くうくうばくばく)の火星
「秋の七草」と「秋深く」のお句を頂戴いたします♪
流星さまのお句は何時も発想がユニークで、ハッとさせられます♪
若い証拠ですね♪
「つき」お写真にも小説と同じく不気味さを表しましたね♪
でも私は、そのユーモアに大笑いさせて頂きました♪
これからも楽しみにしていますからね♪
ここからガジュマルが消えたら、確かに魅力がなくなるかもね!
雨季だからフォトジェニックではなかったけれど、そのかわり人は多くなかったのよ、
現地で買ったガイドブックの写真と見比べると、年々凄い勢いで崩壊しているみたい。
はじめまして、ようこそ♪
アンコールワット(遺跡)の本を沢山持っていらっしゃるんですね!(レスをありがとう~♪
もしかして前世からのご縁があるのかも。
いつかその目でご覧になれる日がくると思います♪
これをご縁に、これからも宜しくお願い致します。
>鵙居りて亡者を語れ陽も翳る よし
むむむ・・・。下の投稿にあまりにぴったりなので、下に添えさせて頂きますね!
(私の俳句と、取り替えたいわ 笑)
府中は、私、子どもの頃いっとき住んでいたんです、懐かしいなぁ。。
職安へ、お疲れ様でした!
ごめんね、写真も多く、文字も多くて、、読んで頂き嬉しいですが♪
「隠し続けてきた何ものか」 その、何もの の答は本には書いてなかったのですが、
やっと分かったのです。
次回に私の意見を書きますね~(もったいぶるなぁ、私 笑)
私も行く前は、アンコールワットというのはアンコール遺跡のことかと思っていました!
ぜんぜん問題ないですよ~ ご丁寧にありがとうございます!!
(プロではないですよ 頼まれて写真を撮ったことは何度かありますが)
他の投稿も見て下さったんですね!
私もまた、すここさんの投稿を見せて頂きます♪
>最高の構築物は其の儘で、残って貰いたいとも思います。
それはとっても日本人的なご意見と思います
修復された東京駅にしても、ね♪
日本人は完璧主義というか、、鳴かぬなら殺してしまえホトトギス、ではないですが、
修復して残すか、壊すか、二者択一の民族みたい。
>朝鈴や駅への道が遠くなり よし
え?朝鈴でもいいんですか? 涼ではなくても?
博識のよしさん、いつもお勉強になります!!
早く足が楽になって、駅までの道が近く感じるようになりますように。。
こころに響くものに出会えたんですね。
「変容し風に吹かれなにもなくなる・・」
ここですね、ポイントは・・。
物体もいつか無くなるんですが、精神的なものも、いつか無くなるんですね。でしょ、自分が居なくなるんですから。
この後は、BKKへ一旦戻るですか??
カジュマルの樹とは、凄まじい樹木。屋根に身を委ねているとも見える一方、滅び行く館を支えているかにも見える。これに照準を合わせた写真
に樹木の悲鳴が滲み出ているかの様な写真ですね。
貴女のカメラセンスには、脱帽です。さらにその巨大さを無言の内に知らしめる工夫は、流石です。
カジュマルや 暦をも握り 秋迎え 詩楽麿
幾久し カジュマルの根も 暦支え 掴みし季節 なおも蓄えむ
詩楽麿
初めて見たと思いますが、すごいものです。
たぶん高温多湿なので成長も早いのでしょうね。
下の仏像の写真も素敵です。
モノトーンがいいです。
十数年ぶりに時計を気にせず外出できるようになりました。
博物館でゆっくり仏像を撮りましたよ。
「デュポンの火」 カッコいい!!
長年、いつかは行こうと思っていて、やっと果たせて良かったです!
>変容し風に吹かれなにもなくなる
ほんまやねぇ、諸行無常だわ・・・
カンボジアには10日間いたので、まだまだカンボジアです
BKKは買物だけで、写真も殆ど撮ってないです(お許しを!!
このガジュマルたちは、まるで怪獣のように大きかった、
そして根っこが手のようで不気味でしたよ~
>カジュマルや 暦をも握り 秋迎え 詩楽麿
>幾久し カジュマルの根も 暦支え
掴みし季節 なおも蓄えむ 詩楽麿
巨大なガジュマルの木々に寄せる一句一首、有難く頂戴いたしました!♪
この遺跡も発掘されるまで長年ジャングルに覆われていたのだと思います
下の写真も、デュポンの句にも目を留めて頂き、嬉しいです♪
十数年・・・大変でしたねぇ。。仏像のお写真、楽しみに拝見します。
まさに、魔手のごときガジュマルの根ですね。
こうして、永い年月の間に、壊れ、朽ち果てていった遺跡も、世界には多くあることでしょう。
大自然の中での、人為の小ささを思い知らされる景観です。
我が家も、庭木が大きくなって、根を張り、垣根などに負担がかかってきています。
家を買ったときは、こんなこと、想像もしなかったですからね。
この先は、住人と家の、長生き比べになりそう。
「2)苔むし崩壊し…」のモデルさん?も美しいな(笑)。
ガジュマルが遺跡に魔手を伸ばしているような
遺跡が根を支えて樹を育んでいるような
なんとも不思議な光景ですね。。。
抜粋されておられる論旨には、全く首肯しきりです。
人の手になるものは、悠久の時間を耐ええない...
ガジュマルは成長が早いらしいですが、
それでも13世紀からですから、8世紀(800年)くらい?
そしてますます元気!
宇宙人の来襲とかも見ているかも(汗
こちらも見て下さり、ありがとう~♪