優曇華 (うどんげ) :俳句
2012年 06月 03日
加ふるに優曇華までも天井に 久遠 (旧:流星)
(くわうるに うどんげまでも てんじょうに)
季語: 優曇華 (うどんげ) 【夏】 動物
・草蜉蝣の卵。白くて1,5cmばかりの糸状で、柄があり先が丸い。木の枝や天井・壁などに生みつけられている。
ちょっと見ると花のように見える。これが発生すると瑞兆あるいは凶事の兆とする俗信がある。
(by 角川 俳句歳時記)
去年の風鈴
軒辺に忘れた 風鈴の
錆びて古びて 糸の切れ
風を忘れて久しかる
あまたの夕暮を 繰るなれど
切なきことの 多過ぎて
思い溢れて やり切れぬ
遠くにあるは茜雲
近くあるのは貧乏ばかり
ただ故もなく
老いを嘆くに あらねども
漂泊の身を如何にせむ
瞳には零れる涙 ありもせで
昔のよき日を 懐かしむ
詩・ 安藤由人
つい最近読んだ、佐藤愛子氏の小説「血脈」のなか、
父・紅緑氏が老いて病床にあるとき、家の天井から垂れ下がる優曇華を見つけた母が、
「優曇華は家の没落の兆」と言うシーンがありました。
確か、優曇華は夏の季語だったはず...
頁を繰りながら、思っていたのでした。
◎画像は、トプカピ宮殿の後宮の天井です。優曇華はありません♪
オスマン帝国も、今は昔ですねぇ・・・・