always over the moon

花菜 :俳句

 


        ゆく父の舟は花菜の岸を離る  流星
               (ゆくちちの ふねははななの きしをかる)

                離(か)る=離れる(古語)

                季語: 花菜、菜の花、菜種の花  【春】 植物   





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                菜の花の岸を離るる父の舟    流星

             
 
              餓鬼となるわが末おもふ友霞    日野草城(toboさまよりご紹介)

              想い出は今は昔の花の雨      よし

              ジーンズの膝すりきれて夏隣     麗門

              ひれふして祈れば兆す穀雨かな   流星

             一言の メモに残りし 胸の内 
                     静心なく 桜散るらむ     詩楽麿

             黄泉の花 永久に咲きたれ 川沿いに   詩楽麿

             菜の花の上に地蔵の頭かな          与太郎




あの世って果たしてあるのでしょうか。

ちょうど父が亡くなる一年前のことでした。
父は北海道をドライブ中に大きな交通事故に巻き込まれ、あわや一命を落とすところだったのです。
あとから聞いたのですが、救急病院のベッドで意識不明の状態のときに、父はあの世の淵まで行ったのだという。

  あれは菜の花だったのかなぁ。黄色い花が一面に咲いていてね、それはもういい心地なんだよ。
  その向こうには川が見えてね。川向こうはもっといいところのように見える。
  行こうと思ったんだ。川向こうへ。
  と、そのとき〇子の声がしたんだ。「お父さん、お父さん」って呼ぶ声が。
  それでハッとこちら側に戻ってきた・・・

どこにでもあるような「あの世から帰還」のお話と瓜二つ。
けれどそれから心不全で亡くなるまでの一年間、父は人が違ってしまった。
それまでは、わがままで自己中心だったのに、それ以後は家族思いの好々爺になった。
まるで長い間、家族を省みなかった罪を償うように・・・。

国際結婚をしている私のことも随分心配してくれた。
おりしも亡くなった日に、郵便局から関西土産の小さな壷を送ってくれていた。
それを開けたのは、お葬式もすんで私がロンドンの家に帰ってからだった。
壷の入った箱にメモが忍ばせてあった。

  つらかったらいつでも帰ってこいよ。

父が亡くなったのは十一月だったけれど・・・
春のように菜の花が一面に咲く岸から旅立っていったのだろうか。。


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by mariko789 | 2012-04-26 14:21 | Nikon D80 | Trackback
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