always over the moon

寒紅(かんべに)③ :俳句






     されど寒紅 少年の秘す地雷   久遠 (旧:流星)
         (されどかんべに しょうねんのひすじらい)


季語: 寒紅(かんべに)、丑紅(うしべに) 【冬】 生活
紅花から作られる紅は、寒中のものがもっとも良質だという。
特に丑の日に売り出される「丑紅」が珍重された。
俳句で詠まれるのはふつう口紅であることが多い。(角川 季寄せより)







f0053297_13365195.jpg





       

           裏口に母が居るよな丑の紅      よし

           寒紅や姉の化粧を盗み見む      麗門

           寒紅の色映したる君の頬       詩楽麿

           幾久し煩う床に寒紅の
                 かほり漂い頬も色めく    詩楽麿

           雪見酒この世のことはみな儚(はかな)   流星



母親の鏡台の引き出しの中に、少年は″それ″を見つけた。
リップスティック。。
おそるおそる蓋をとってみる。にょきっと飛び出てきたのは深紅の口紅。
「・・・なんだよ、こんな真っ赤な口紅。こんなのつけるのかよ・・・」
その赤色は、少年の母を″女″という別世界に連れ去ってしまいそうだ。
蓋を閉めたリップスティックを少年は握り締める。
こんなの、捨ててやる!
けれどそんな勇気はありそうもない。
しばし少年は鏡台の前で立ち尽くす。


思春期の少年の、大人の女性に対する懼れ・嫌悪感・憧憬が入り混じった複雑な想いを詠んでみたいと思いました。


『寒紅』は好きな季語で過去にも二度アップしています。

2009-12-21   寒紅でにくらしき背に烙印す     流星

2011-01-18    夫ならぬ胸に灯すは寒紅の      流星


◎コメント欄は閉じています。お話のある方、句をプレゼントしてくださる方は、下の記事のコメント欄にお願いします。
[PR]
by mariko789 | 2012-01-26 11:49 | Nikon D80 | Trackback
トラックバックURL : http://mariko789.exblog.jp/tb/17112306
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]